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部族・ゼロ次元・70年代FEEL

[小説」☆無意識からのメッセージ☆第6章☆JohnのJuliaとゼロ次元のかとちゃん

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「どこから来たの?」

「京都です」

「名前は?」

「ユリです」


katou

画:加藤 好弘


「俺はかとちゃん、絵を描いてるの、よろしくね」といいながら

かとちゃんは、石ころの上に座っている私の前にあった

もう一つの石ころのうえに腰掛けた。



それは たしか・・・

ケメちゃんに頼まれて手伝っていた夕食の準備が

一段落ついたころだった。

かとちゃんは皆から、加藤さんと呼ばれていたし

指図を出していたから このグループのリーダーなんだろう。



いくつ?」

「18歳です、予備校 にいってます。」

「何になりたいの?先生?俺は中学校で美術の先生やってたの」


私の父は 中学校で音楽の教師をやっていた。

父の同僚に美術の先生がいて

二人は仲がよく、私はその美術の先生が 大好きだった。



かとちゃんとその先生が重なり、自動的に、私の頭のなかで

RCサクセッションの「ぼくの好きなおじさん」が鳴り響き、

一瞬にして 私の心は開いていた、

のだと思う。




「わかりません・・・本当は、わたし今、とても悩んでるんです」

「何に悩んでるの?」

「それは、あのぉ、かとちゃんんは、ジョンのJuliaって曲知ってますか?」

かとちゃんは にやりとしながら知ってる、といった。

私の父は この曲を知らないけれど 

かとちゃんは 知ってる、という。

私は とてもうれしくなり どんどんしゃべりだしていた。



「私、Juliaを聞いたとき、その歌詞を読んで 

ものすごいショックを受けたんです。」


♪Half of what I say is meaningless,
 but I say you just reach you, Julia,
  Julia, Julia, ocean child,  calls me,
 so I sing a song of love, Julia, ・・・



★BGMはビートルズのジュリア/Julia
ほんやら2

京都:今出川通 ほんやら洞

私は 高校のとき 革命にあこがれてて
 
大学生と一緒に 政治活動もしてて

なぜか一年生なのに マルクスの共産党宣言が理解できて 

それ以来、お勉強会でのリーダーをまかされたりして 

しょっちゅう 学校でまくアジビラを書いたりしてたんですけど 

高校を卒業してただの人になってしまうや否や、

自分には 自分について語る 自分の言葉というものが 

なにひとつないことに 気づいたんです」


そんな時、ジョンのこの曲をきいて、冒頭の歌詞、

ぼくのしゃべることの半分は意味がないけれど、

だけど 君の心をつかみたいからしゃべるんだ、っていう歌詞に

ガーンとしてしまったこと そいう言葉を持ちたい、といようなことを

私は いつしか 必死になって しゃべっていた。



you tubeSupertramp - The Logical Song

すると キャーという声がしたので そっちに目をやると

何人かの男性が 服を脱ぎだしていて

あっというまに 素っ裸になった彼らは

全裸でキャンプ場の斜面をかけめぐりだした。


そのなかに一人、私と同い年くらいの男の子がいて

彼は 背が高くて セミロングのサラサラヘアーで美形だった。

「ちじんじゃう」っていいながらも 楽しげだった。


私には
 
ヘルメットをかぶり、手ぬぐいで顔をかくして

政治集会やデモに参加していた高校の先輩たちよりも

ストーリーキングを終えて頬を上気させている彼のほうが

かっこよく感じられた。


yippie.png

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E5%B9%B4%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%85%9A



命の恩人であるケメちゃんは 火のそばにすわり

おなべをかきまぜていて 

おなべからはカレーの香りが漂っている。


やかんのお湯もわき 大人のひとたちにかこまれて

おとなしくコーヒーをいただいていたら

赤い真鍮のマグカップを片手にもった美少女が

にこにこしながら

「こんにちは、ねぇ、あなた いくつ?」って声をかけてきてくれた。


18」ってわたしが答えると
 
彼女は顔の半分くらいもありそうなおおきな瞳をクルクルさせながら 

「わぁ よかった、

 みぃんな大人ばっかりだからどうしようかって思ってたの

 仲良くしよう・・・どこからきたの? 

 えぇ、京都なの、私、京都だいすき!!!

 ねぇ 名前はなんていうの?

 ユリ?素敵じゃない、私は たえ」



それが 多恵ちゃんとの初めての出会いだった。

yippie flag


たえちゃんは わたしよりも 少し大きくて 

栗色のサラサラ髪が肩のあたりでゆれていた。


山のなかにあっても 多恵ちゃんだけは裾の長い

バックベルトの部分がレインボーカラーになっている

デニム地のジャンパースカートをはいていて

それがまたとてもよく似合っているのだった。


同じ10代でありこういう集まりには初めての参加だった私たちは

自然とくっついて行動した。


たえちゃんは グラフィック・デザイナーの卵で

版画が得意だという。

私はたえちゃんと話ながら本日、最初のタバコを

バッグから取り出し、火をつけあって一緒に吸った。

二人ともハイライトを持っていて、わたしたちは思わず噴出した。



たえちゃんは 来月、京都に遊びにくる予定があるらしく

お互いの住所と連絡先を交換しあった。


たえちゃんは ビートルズ、ストーンズよりも

ピンク・フロイドにお世話になっている、という。


それからレコードジャケットの話になり

ムーディ・ブルースの「童夢」で意見が一致した。


ドウム


「長靴下をはいたピッピ」と

ディズニー映画の「メアリー・ポピンズ」や

「ポリ・アンナ」が大好きで

「不思議の国のアリスが好き」、という点も共通していたけれど

たえちゃんは 芋虫の女王さまが好きだというのだった。


「どうして?」って聞くと

「いつもプハーって、水パイプでタバコすってるじゃない!
 
 だから好きなの! あれ吸ってみたいの」

っていたずらっぽく笑うから 私は 

アリスの目からあふれだした涙にのって

 鍵穴から 抜け出したいって告白した。


するとたえちゃんは

「うん うん わかる わかる、

 大きくなったり 小ぃちゃくなったりするのって 最高だよね」

って言い出して、大きくなってガリバーはいやだけれども

小さいならピーターパンのティンカー・ベルもいいよね


といいつつも

「今、なるんだったら 

 海賊に捕まえられて目隠しされたウエンディになって

 看板の板の上に立たされて ドキドキしたい 」

って言いながら

お祈りするときみたいに 

胸のあたりで両手をくんで目をとじている


たえちゃんのことが 

私は たまらなく 好きになってしまったのだった。


ミレ
Ophelia by John Everett Millais



you tubeCocteau Twins' Pre-Raphaelites





その夜、暗くなったキャンプ場で 

キャンプ・ファイヤーに火がともるころ

ナナオは 

山の精霊と 火の精霊のために 詩を口ずさみ


かとちゃんは
 
ゼロ次元代表として

「人間と宇宙のまつり」への参加表明をのべて

新体道(しんたいどう)の青木さんとともに

「あ~」とか「え~」とかやっていたと思う。



青木さんは二人の子供、

男の子と女の子を連れてきていて

小学4年生くらいの男の子が 

キャンプファイアーが終わったとき私の傍らで


「人間と宇宙のまつり っていうけど、

 人間も宇宙なんだからなんか変だ、と思う」

という独自の見解をのべてくれて、

彼は生意気だけど可愛いかった。


一方、女の子は幼稚園くらいで 

名前をきくと「あおきしんり」だというので、

どういう字を書くのかと聞くと彼女は即座に

「真実の真理」っと答えたので、

私は気分的には そのとき彼女の弟子になっていた。


青木

青木弘之:新体道創始者
http://www.shintaido.com/founder.html


you tubeWe All Live in A Yellow Submarine


の日は 起きたときから日がくれるまで 一日中、

なぜか私はしんりちゃんと手をつなぎ行動をともにしていた。


私は不思議の国のアリスみたいなしんりちゃんに聞いてみた。

「ねぇ しんりちゃんのパパが やっている『新体道』ってなーに?」

するとしんりちゃんはお花つみの手を休めることなく

「新しい体の道」と、即座に答えてくれるのだった。


私はオムとの約束を果たすべく 

しんりちゃんと一緒に テントをまわり

ついに、目的の人物に会うことができた。

その一人である、かよさんはダンジキ中だった。



you tubeMiss You By The Rolling Stones




その夜、風向きが変わり、天気は一変した。

キャンプ場には横殴りの激しい雨と

今にも吹き飛ばされそうなくらいの風が吹き荒れていて

テントはそのたびにミシミシと音を立てた。



小川の向こうのテントには マッポがいるらしく

そういえば Love & Peace で 

Brothers & Sistersな人々のなかにあって

彼らは明らかに浮いていた。 

なんでここに一般の人がいるのだろうと思っていた。



六2




私は デモに行ったときのことを思い出していた。

デモ隊が道端に座りこんだ瞬間、

機動隊のジュラルミンの盾が情け容赦なく

デモ隊へとかざされて、私もこめかみを、

見事にパッカーンとやられた事があった。


ヘルメットをかぶっていたとはいえ、その衝撃は強烈だった。

そのことを思えばテントの中から双眼鏡で 

こちらを観察しているだけの

山の国家権力からの代表二名は

少しも 怖くはなかった。



私は その夜、かとちゃんともう一人の三名とで、

浸水寸前のキャンプ場をあとにして

山の山荘へと脱出したのだった。


眠りに落ちた私は、

風呂の湯はすでに抜かれていて水しかない風呂場で、

私はかとちゃんに思いっきり勢いよくホースで水をかけられて

風呂場の中をキャーキャーいいながら、

逃げ回っているという、とてもリアルな夢をみたのだった。 




一夜明けたら、そこは甲州街道で、

わたしはかとちゃんと、

かとちゃんの義理の弟さんが運転する車に乗って、

東京の大橋へと向かっていた。

大橋にはかとちゃんのオフィスがあるというので

そこに一泊して、京都には 東京から新幹線で帰ることにした。



これが ゼロ次元と私の最初の出会いだった。


18歳のわたしには

ナナオやセヴンがその風貌からして部族であり

日本を代表するヒッピーだとするならば


東京のど真ん中の

マンションに拠点をかまえているゼロ次元は

都市に生きる知的アーティスト集団、

イッピーの代表格であるような気がした。



大橋へと向かう車のなかで 

かとちゃんは 

もうすぐ 自分が

美術手帖で紹介されるから読んでほしい、

と言ったけれど


わたしはまだ、

かとちゃん、加藤好弘がどういう人物なのか、

あるいは ゼロ次元がなんなのか、

なんてことはまったく知る由もないのだった。


 you tubeWaiting On A Friend


P.S.you tubeBob Marley - Hotel California(Reggaemix)



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