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部族・ゼロ次元・70年代FEEL

[小説]☆無意識からのメッセージ☆第三章☆オム☆小さな夢☆そして長野へ

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★BGMは ビートルズのカム・トウギャザー
 /Come together by Beatles
三十三間堂

京都:三十三間堂


京都駅の通路には 活気があふれていて

夜行列車をまつ人たちが何人もいて、

彼らは床に新聞をひいて座っていた。


時計を見ると 夜の10時48分だった。

ジーンズに白黒ギンガムチェックの半そで綿シャツを着た私は

右肩に

薄紫色のデニム地でできているキャンパスバッグをかけていて

足には運動靴ではなくて、

素足に比較的しかっりしたつくりのサンダルをはいていた。

色は黄色だったと思う。

髪はショートで顔は幼く、どうみても中学生か高校生だ。


バッグのなかには、オムが書いてくれた手書きの地図と

ノートと筆箱、それからタオルと歯ブラシセット、

お財布に、セーターと下着と、

そして夏にしては厚手すぎる白い靴下を持っていた。




私の小さな夢でもあるオムが 山には靴下が必需品だ、

それはセーター一枚分に匹敵する、と教えてくれたからだった。





中学生が一人でこんな時間にどこにでかけるのか、

と問いただされたらどうしよう・・・

というようなことは一切問われることなく切符を購入した私は、

何度か通路をいったりきたりしていたので、新聞紙の上に座り、

夜行列車をまっている老若男女にじろじろ見られていた。





「ライ麦畑でつかまえて」

に登場する主人公のボールドウインも言っていたと思うが、

一人で行く旅の楽しみは おしゃべりだから 

誰の隣に座るかはとても重要なポイントだし

長野までは 何時間もかかるわけで、

選択はつねに慎重かつ的確に実行されなければならない。


拾得

京都:拾得


やがて私はあるおばあちゃんの隣に腰掛けることにした。

決め手はショルダーバッグひとつで夜行列車に乗るらしい

小柄な小娘である私へと向けられた、

そのおばぁちゃんの笑顔だった。




でーんとした体格のおばあちゃんは 荷物をたくさん持っていた。

隣にすわると、

プシューという音を立てて缶ビールを、おいしそうに飲み始めた。

聞くとおばあちゃんは、ビールが「大好きなんだ」という。

私はそんなおばあちゃんの隣で、なんだか、うれしかった。

しかもおばあちゃんは おにぎりをくれた・・・。




「どこにいくの?」

「長野の入笠村です」

「入笠村のどこに行くの?」

「入笠山です」

「なにしにいくの?」

「人間と宇宙のまつりというのがあるらしいので、そこにいくんです。」

「人間と宇宙のまつり・・・聞いたことないね・・・でもなんか楽しそうやね」

おばあちゃんもだいぶ酔いが回っていたのだろう。


帝釈天

京都:東寺☆帝釈天


「友達のかわりにいくんです、

 私はそのこに報告する約束をしてるんです」

私はとても素直に、

どうして自分が長野に行くことになったかを話はじめていた。

オムのことも話した、と思う。小さな夢と書いて小夢、

それはみんなの夢で

「人間と宇宙のまつり」は

そんなオムが見つけてきてくれた夢のひとつだから

夢を実現する一歩としてそこにでかけて、

しかもある人にあわなければならない、

そんなようなことも

私はおばあちゃん相手に、話したと思う。



おばあちゃんはその度に

「そうかね。そうかね」と相槌を打ってくれた。



それは きっと おばあちゃんに話すことで、

無意識的にこの旅の目的と

自分に託された任務とを確認していたのだろう。

裏返せば それくらい 心細かったのだ。




「あんたは そこに よく 行くのかね」

「いいえ 初めてです」

「親戚がおるんだね」

「知ってる人は 一人もいないんだけど 

 オムに言われてきた、といえば何とかなるらしいんです。」

「・・・・乗り替えがあるね・・・乗換えたら、誰かにききなさいね。」

「誰でもいいから、あんたの前に座ったひとに、この地図をみせて、

 ここに行くにはどこからが一番近いかを教えてもらいんさいよ」

と目を細めながら、

ノートをできるだけ遠ざけるようにして、

地図を見ているおばあちゃんに

私は お祭り会場になっている、 その場所は、

駅からおりたら わかりやすい一本道で

徒歩で 30分くらいの場所にあって

とにかく行けばすぐにわかるらしい、

とオムにいわれたとおりのことを繰り返したが


おばあちゃんは 自分が一緒なのは乗り換え駅までだから

いまこの京都駅で

自分が誰かに行き方をきいてやってもいいけれど

のりかえたら そこからは 

あんたは一人でいかなければならないから

とにかく目の前にすわった人にきけ、という。



結果的に このおばあちゃんは正しかった。

★BGMは ビートルズのヨー・マザー・シュツ・ノゥ
/Your mother should know by Beatles



山




確かにオムがいったとおり

目的地へとむかう道は一本道だったけれど、山道であり

ばあちゃんと別れて、乗りかえた列車のなかで

目の前にすわったおじさんから教えられたとおり

朝方に着いた富士見駅を降りるころには

それらしい人もちらほらと増えていたから


自分が行くべき方向は聞くまでもなかったし

道に 迷うことはなかったけれど

歩き始めてわかったことは

お祭り会場である、キャンプ場は山のなかにあり 

三時間はゆうにかかるということだった。



みなから、ポンとよばれているひとに私は尋ねてみた。

「ほかに道はないのですか?」

するとポンはこう答えてくれた。

「反対側にも道はあるが、そこからも五時間はかかる」


map1.jpg


私は だまって歩き始めていた。


朝焼けがいつのまにか 晴天の青空にかわっていた。


ポンは背虫だったけれど とても明るくて

私が歩き疲れて泣きそうになってくると

ポンは向かいの山に向かって声をかけながら

昔、自分が仙人だったころの話とかをしてくれて

はげましてくれたから、ポンの周りにいる私たちは

八ヶ岳が見えるころには 

ポンによって鳥を味方にする術まで伝授されていた。


★BGMはビートルズのザ・フール・オン・ザ・ヒル
/The fool on the hill by Beatles



ポンはいった、鳥を味方にすれば 空と話ができる、と。

そしてポンは空にむかって両手を高くさしのべて

鳥になって鳥の言葉をさえずっていた。



ポンがしゃべりだすと みんな大笑いをした。

そして不思議なことに大空にむかって大きな声をたてて

笑うたびに 何かが 伝わってくるのだった。



いつのまにか ポンの傍らには ナナオがいた。

ナナオは鳥そっくりにさえずっていて

ナナオが鳴いているのか

とんびが鳴いているのか区別がつかないくらいだった。


そんな気がした。



ナナオとポンは自分たちが鷲だったときのことを 

楽しげに、語り合っていた。

ナナオもポンも ジーンズを半分に切ったホットパンツをはいていて

インディオみたいな毛糸のベストをTシャツのうえにはおっていて

ポンの髪の毛は短かったけれど

ナナオの頭は白髪まじりのもじゃもじゃで、

ナナオは、真っ黒に日焼けした素足にゴムぞうりをはいていた!



空に鳥があそび 山道では野の草花が風にゆれていた。



その瞬間、私は遠くに果てしなく連なる山並のなかにあって 

ひときわ目をひくのが八ヶ岳で

木々の緑のうえに

更に幾層にも重なっているかのように

うすく紫色がかった空気のベールをまとったかのようなその姿は、

とても優雅で、

八ヶ岳のほうが富士山よりも美しい、とすら感じた。


富士山が嫉妬した逸話は 地上では理解されがたいけれども

こうして 雲にちかづくと なるほど納得できるのだった。

どうやら、山には 

苦労して 登ったものにしか見ることのできない景色があって

そこには なにかしら 生きていくうえで大切なことが

さりげなくちりばめられている、かのようだ。



そして そこで授かった知恵のようなものは
 
そのときには何をもらったかなんてことは、

新米の戦士にはわからないのだけれども

それからの人生において くじけそうなとき、

つまりは逆境と呼ばれるような状況にでくわしたときに


そのときの経験が思い出されて 闇をてらす光のごとく

それは自分のなかで 燦然とした輝きをはなち 

いつか必ず自分を導いてくれるのだ。 


なぜなら その景色は 

私のなかで 私とともに ずっと一緒に生きてきたからだ。

それが「原風景」 とよばれる

 山の神話がもつ知恵の体系なのかも知れない。


それでも


http://www.aritearu.com/Influence/Native/NativeBookPhoto/NativeWisdom.htm


★BGMはボヴ・ディランの風に吹かれて
 /Blowing in the wind by Bob Dylan
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~ Comment ~

No title 

時代は80年代だけど部族関係の人物、ポン、ナナオ、ボブ、、、達には松本でよく会いました。

●道のり 

いつもありがとうございます。

長い道のりも、目的地がはっきりしていれば、
歩きやすくなります。
そして、サポートも受けやすくなります。
そのようなことを感じました。

ありがとうございます。

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